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  • 医師・イシハラクリニック副院長。
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Photo: Osamu Hoshikawa

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2011年9月

2011年9月23日 (金)

腎虚

みなさん、こんにちは。

9月中旬なのにまだまだ暑い日が続きますね。
今頃になって私は夏バテぎみです。

今日は「腎虚(じんきょ)」について、少し書きたいと思います。

最近、若い人の「老化現象」が目立ちます。
年齢は20歳代、30歳代なのに、体の年齢は70歳、80歳。
診察をすると、下半身の力がとても弱いのです。

下半身の力が低下した状態を漢方では「腎虚(じんきょ)」といいます。

腎虚の症状は、たくさんあります。

例えば、疲れやすい、だるい
尿が近い・遠い、夜間頻尿、残尿感、尿に力がないなど尿の異常。
足腰が冷える、足がしびれる、足がつる、足腰が痛い、足がむくむ
足が冷えるのに上半身が熱い(冷え・のぼせ)
更年期障害、勃起障害、不妊症(男女ともに)
高血圧、糖尿病(これらも腎虚が一つの原因になります)

腎虚がもっと進むと、
白内障、老眼、難聴、耳鳴り・・・
髪の毛、歯が抜ける・・・
目の力、耳の力は下半身の力に比例すると、漢方では考えます。

40歳を過ぎると、誰でも上記のような症状がでてきます。しかし、これらの症状は若い時にはなかった症状ばかりなので、「腎虚」とは簡単に言うと「老化のサイン」ということができます。

ところが、今は20歳代、30歳代でもこのような症状を訴える人が増えてきていて、本当にびっくりします。年齢が若いのに更年期障害のような症状を訴えたり、男性は勃起障害、髪の毛が抜ける、歯がぐらつく、老眼といった症状まで。

なぜ、このような症状がでてくるか?腎虚の原因を一言でいうと、「下半身の運動不足」です。つまり、下半身の筋力不足と血行不良が腎虚の原因です。

漢方でいう「腎」とは、西洋医学でいう腎臓のこともそうですが、腎臓の上に付いている副腎、それから膀胱、子宮、卵巣、睾丸、前立腺など、おヘソから下;下半身に付いている臓器をすべて「腎」といいます。また生命力のことも、漢方では「腎」といいます。(腎虚=生命力が低下してきている状態)

運動不足によって下半身の筋力が低下すると、下半身の血行も悪くなります。
そうすると、下半身に付いている臓器の働きが落ちるので、腎虚の症状がでてくるのです。

すべての臓器、器官、細胞は血液が運んできてくれた酸素、栄養、水などで元気に働くことができます。またそこで代謝されて要らなくなったものを回収して捨てるのも血液です。つまり、血流が悪いと必要なものが届かない、要らないものが回収されないので、臓器などの働きが落ちてしまうのです。

足腰の血流が低下すれば、足腰の冷え、痛み、むくみ、しびれの原因になります。
腎臓の働きが落ちれば、尿がつくられないので、尿が遠くなります。(乏尿)
膀胱の働きが落ちれば、尿を溜めておけないので、尿が近くなります。(頻尿・夜間頻尿)
子宮・卵巣、睾丸・前立腺の働きが落ちれば、更年期障害や勃起障害、不妊の原因にもなります。

現代人は圧倒的に運動不足です。車、電車、バスなどの交通機関が発達して歩かなくなった、家電の普及で家事もほとんど筋肉を使わなくてもよくなった、パソコンでの仕事が増えたことなどが関係しています。この運動不足が若い人の老化現象の原因です。

逆に60歳、70歳、80歳でよく運動をしている人が元気で若々しいのも下半身の力が落ちていないからです。

腎虚にならず一生若々しく元気でいる秘訣は、下半身の筋力を落とさないことだと思います。そのためには、ウオーキングやジョギング、スクワット、もも上げ、つま先立ち運動などとにかく足を動かすことです!

人間も動物です。体(足)を動かさずして、健康はありえません。

ちなみ私は週に2、3回のジョギングに加えて、スクワットを毎日100回やっています。

運動をしたくない気持ちもよく分かりますが、習慣にしてしまえば面倒ではなくなると思います!

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