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  • 医師・イシハラクリニック副院長。
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2011年7月

2011年7月30日 (土)

水分の摂り過ぎに注意!

みなさん、こんにちは。

今日は「水分の摂り過ぎに注意!」について書きたいと思います。

とくに夏。

夏は暑いですからどうしても水分をたくさん摂ってしまいがちになります。

水分は生きていくためには、必要不可欠なものですが、ありすぎてもいけないという考え方が漢方にはあります。

それを「水毒」といいます。

「水に毒される」という考え方です。

植物に水をあげすぎると、根腐れを起こします。植物にとっても水分は必要不可欠なものですが、ありすぎてもよくないのです。

私たち、人間も同じです。

余分な水分が体の中に溜まると、さまざまな不調を招きます。

たとえば、肩こり、頭痛、めまい、耳鳴り、ふわーっとした感じ、外を見るとやたらとまぶしい、動悸、不安、不眠など、いわゆる「不定愁訴」と呼ばれる症状を引き起こします。

不定愁訴とは、検査をしても異常はないが、体調がよくないという漢方でいう「未病」の状態です。

西洋医学では検査をしても異常がなければ、抗不安薬や抗うつ薬、睡眠薬、鎮痛剤など対症療法しかできません。

しかし、漢方では、気血水のバランスの崩れが体の不調につながるという考え方なので、まだ検査結果には異状がないが、なんとなく体の調子が悪いという「未病」が得意な学問です。

不定愁訴と呼ばれる症状は、漢方的にいうと「水毒」、「水」が原因で起こることが多いのです。

また「冷却水」という言葉がありますように、水分は体を冷やす作用があります。

水分を摂り過ぎて、余分な水分が体に溜まれば、「濡れた水着」をずっと着ているような状態になるので、体は冷えます。

体が冷えると、

1) 各臓器の働きが落ちます・・・胃痛、腹痛、便秘下痢、生理痛、生理不順、不妊、膀胱炎の原因になります。

2) 代謝が落ちます・・・糖代謝が落ちれば糖尿病、脂質代謝が落ちれば高脂血症、肥満の原因に。水分代謝が落ちれば「水毒」の原因、むくみ、水太りの原因になります。

3) 免疫力が落ちます・・・ウイルスや細菌に感染しやすくなったり、がん細胞が増殖しやすくなるので、種々の病気の原因になります。

体が冷えると(低体温になると)、さまざまな病気の原因になりますが、体を冷やす大きな原因が「余分な水分」なのです。

夏は暑いですので、どうしても水分を多く摂りがちになってしまいます。

しかし、一方で電車やオフィスの中、デパートの中などは冷房が効いていて、体が冷える環境にあります。

夏になると、冷房がなかった昔の習慣のまま、水分をたくさん摂ったり、そうめん、冷麦、かき氷、麦茶、ビール、スイカなど、漢方でいう陰性食品(体を冷やす食品)を摂りがちになります。

しかし、どこでも冷房が効いている現代人は、夏こそ体を冷やしているのです!ですから、夏こそ体を冷やさないように注意が必要です。


(夏こそ体を冷やさないために)

1) 水分を摂るなら、体を温めて利尿作用のある紅茶を飲む(夏は紅茶の冷たいのでもOK)

2) 冷房の効いた環境では体を温めること(腹巻きを夏でもする)

3) そうめん、冷麦、かき氷、麦茶、ビール、スイカなど体を冷やす食品の摂り過ぎに注意する

4) 汗をたくさんかいたら、塩分を補給する(熱中症対策にもなる)

麦茶、緑茶、水、コーヒー、ジャスミン茶などは体を冷やす「陰性食品」に入りますので、これらの水分のとりすぎには注意が必要です。(温めて飲んでも体を冷やします)

体を冷やすと、さまざまな病気の原因になります!

現代人は、夏こそ体が冷えます!

冷え性の多い現代人、夏の冷え、とくに水分の摂り過ぎに十分気をつけて頂きたいと思います。

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